昭和の日本人の心を支えた作曲家

古賀政男 "古賀メロディ"といえば、『影を慕いて』をはじめ、『人生の並木路』、『悲しい酒』など…。日本人の心の歌といわれる歌を作曲し続け、国民栄誉賞に輝く作曲家、それが古賀政男先生です。特に、作曲家としての処女作であり、代表作でもある『影を慕いて』は、ここ川崎町と深いつながりがあります。
古賀先生は、明治大学時代一緒にマンドリンをやった、大沼さんという友人がおられました。古賀先生は、若いころ大沼さんの招きで蔵王に遊び、人生を考えたり、曲づくりをしたことがあったのです。
昭和2~3年の大不況の時、古賀先生は、作曲に行き詰まったのか、世の中に嫌気がさしたのか、失意のうちに何げなく川崎に足を向けたのです。そして死ぬ気で、蔵王・青根の雑木林をさまよった古賀先生は、闇の中で必死に自分を探す大沼さんの呼び声を聞き、ハッと我に返って死ぬのを思いとどまったというのです。
この出来事がきっかけとなって生まれたのが、名曲「影を慕いて」なのです。それは先生の中にあったイメージがそのことで形となったのか、その時にテーマができて、東京で完成させた曲なのか今ではわかりませんが、青根の雑木林をさまようことがなければ、生まれなかったことは確かなのです。
蔵王を映す釜房湖畔、樹海に包まれた青根温泉、古賀政男先生がその才能を花開かせた美しい自然は、今日もそのまま残されているまち、それが川崎です。

 

『影を慕いて』全国歌謡コンクール

『影を慕いて』全国歌謡コンクール 全国から歌自慢が集まる『影を慕いて』の日本一を決める歌謡コンクール。 コンクールとしては新しいスタイルですが、レベルは大変高く、町の文化活動としても画期的なものと高く評価されています。毎年10月、川崎中学校体育館を会場に、ある方は淡々と簡潔に、あるいは涙も枯れるほどの演歌調で、またある方はカンツォーネのように朗々と…実に多様な『影を慕いて』を楽しむことができます。今日ではコンクールを通じて、『影を慕いて』の交流の輪が広がっています。